
学級リーダーってどうやったら育てられるのかな?

リーダーとして活躍する子がいつも同じだけど、学級がうまく回っているからこのままでも大丈だよね!
こんな悩みをかかえている初任の先生方のための記事です。
学級経営に欠かせないのが学級リーダーの存在です!
しかしながら、大学や研修などで学級経営についてはあまり教えられて記憶がありません。(私が忘れているだけでしょうか?)
リーダーの育て方などもってのほかです。
また、リーダーシップというのは個人としても重要な力となります。
社会に出ると全体をまとめる役割や主担当として仕事をすることは絶対ありますよね。
そのとき全体にどう働きかけるかでグループのパフォーマンスも変わってきます。
今回の記事では、リーダシップを育む学級経営について解説していくので、ぜひ最後までご覧ください!
さらに、リーダーシップと並んで重要なフォロワーシップについても触れていきますのお見逃しなく!
今回は、河村茂雄さんが書いた授業づくりのゼロ段階 Q-U式授業づくり入門を参考に記事を書かせていただきました!
この記事を書いている親育てはこんな人です。
- 現役教師+一児の親
- 教育カウンセリング講座20回以上受講
- 特別支援教育経験あり
- 教育・心理学関連の本を40冊以上読破

ではいきましょー!
全員をリーダーにする理由

学校教育は、児童生徒の人格や社会性を育成する場です。
もちろん学級経営もその中に入ります。
つい私たち教師は、良い学級経営をするためにリーダーを育てようとしてしまいますが、あくまでも学級経営は目的ではなく、手段です。
学級経営のためにリーダーを育てるのではなく、学級経営をもとにリーダシップやフォロワーシップを育んでいき、人格や社会性を育んでいくことが目的なんです!
当然、特定の誰かがリーダーとなってクラスを引っ張るだけでは、この目標は達成できないですよね。
ですから、全員がリーダーシップとフォロワーシップを学ぶ機会が必要になります。
リーダーとは

リーダーを育てる前に、まずはリーダーとはどんな存在か教師側が明確に理解しておく必要があります。
リーダーに求められることは2点あります。
- みんなの喜びに貢献できる
- 一人ひとりの感情を考えながら行動できる
メンバーの感情面を配慮しながら集団の目的を達成するために行動するのがリーダーです。
従来のリーダー像とは少し違いますよね。
- 積極的に行動し、学力や運動能力の高い児童生徒
- 教師が学級経営する上で役に立つ児童生徒
こちらの方がイメージが湧くと思います。
4月の学級開きの段階では、こういった子を中心にクラスをまとめていくのが一般的ですよね。
もちろんそういった子からリーダーシップを育んでいけばいいわけですが、1年間同じ子にリーダーを任せていては、全員を育てることができません。
重要なのは、学級が落ち着いてきた頃に他の子供達にもリーダーを任せる機会を作ることです。
リーダーの育て方 1学期

全員に当事者であることを意識させる
まず、学級全体に自分たちが参画して学級を良くしていくという風土づくりから始まります。
特に4月は学級目標やルールなどを決める場面が多くあります。
その場面を活かしていきましょう!
大きく意識することは2つです。
- 学級目標やルールを決めるときは全員の合意がとれる手続きをとる
- 児童生徒一人一人の個人目標を作らせ、発表する
担任は、全員の願いや思いが反映された学級目標が設定できるよう、
- 「どんなクラスがいい?」
- 「みんなはどうかな?」
- 「どうしていいか理由は言える?」
このような言葉掛けをしながら話し合いを進めていきます。
ルールについても担任が全て決めて守らせるのではなく、なぜこのルールが必要なのか全体で確認します。
そうすることでやらされ感がなくなり、自分たちが気持ちよく過ごすためのルールであることを全員が認識することができます。
学級は民主主義です。
学級の主権は子どもたちがもっていることを担任は忘れてはいけません。
目標が決まったら個人の目標を設定し、抽象から具体的な行動目標にしていきましょう。
方法を教えて実際にやらせる
目標に向かう行動を定着させるために、まずは担任が教示的にリーダーシップを発揮していきます。
教示とは、
- 一つ一つやり方を教える
- やってみせて理解させる
これを全体の場面ではもちろんですが、個人同士のやり取りの場面でも行っていきます。
こうすることで、子どもたちは安心して取り組めるようになります。
中心的な子をリーダーにする
上記のような取り組みを行っていると、ルールを守っていこうとしたり目標を達成しようとしたりする子どもたちがぽつぽつ出てきます。
そういった子をリーダーとして活躍させていきましょう。
望ましい行動をした場合には、
- 個別の称賛
- 全体での称賛
- なぜ良いのか正当性を確認
行動を強化して、学級全体で正当性を定着させていきます。
リーダーの育て方 2学期前半

小グループで話し合い
リーダーを中心に話し合いを進めます。
最初はある程度決まったグループ活動の型を提示し、その型に沿ってある程度進められるようにしましょう。
そうして、何度もグループのメンバーを変えて色んな人と話し合う経験を積ませていきます。
また、活動の最後にはお互いを認め合う場を設定し、ふりかえられるようにしましょう。
- 自己効力感
- 活動の意義
これらを感じることができます。
リーダーを変える
ある程度、望ましい行動が学級全体に定着され始めてきたらリーダーを変えながら様々な活動に取り組んでいきましょう。
望ましい行動ができてきた子どもたちの中から新たなリーダーを育てていきます。
ずっと同じリーダーで固定化された学級になるのか、全員がリーダーを経験できるようにするのか、ここが分岐点です!
どんどんリーダーの仕事をローテーションしていきましょう!
前のリーダーがフォロワーシップを身につける
リーダーを変える場合には、以前のリーダーを経験した子に協力してもらいましょう。
その子達には、リーダーを支えるフォロワーシップを身につけさせていきます。
フォロワーシップとは、
リーダーの働きかけがより大きな成果に結びつくように能動的に取り組むこと
リーダーを助けている子がいれば称賛し、全体の場で取り上げましょう。
そうすることで、学級全体が望ましいフォロワーシップがどのような行為なのかを理解して行動することができます。
自分たちで活動できたという達成感をリーダーにもフォロワーにも感じてもらえるように、参加的に指導を行っていきます。
担任は教えるのではなく、一緒に活動に入りながら水面下でサポートするというようなイメージをです。
リーダーの育て方 2学期中盤〜3学期

自由な活動の枠を決める
担任は委任的なかかわりをもつようにします。
ある程度の活動していい枠を決めたらあとは子どもたちに任せる活動を取り入れていきます。
子どもに任せるので時間はかかりますが、自立性が育ちます。
子どもだけでなかなか進まないグループには、子どもたちの意見を尊重しつつ、アドバイスという形でフォローに入りましょう。
おとなしい子もリーダーになる
普段おとなしい子もリーダーとして活躍できるように、周りのフォロワーシップを継続的に育てていきます。

次は準備するものを決めたらいいんじゃないかな?

うん、そうだね。
じゃあ次は何を準備したらいいかを決めます。
このような小さな場面から取り上げ、行動を認める声かけをしていきます。
他にも、
- 全体の場で共有する
- グループ活動の終わりにふりかえりを書く
- ペアで今回の良かったところを伝え合う
このような方法で学級全体にフォロワーシップを広げていくことができます。
まとめ
学級全員がリーダーになるための1年間の流れを解説してきました。
- 全員に当事者であることを意識させる
- 方法を教えて実際にやらせる
1学期は、教示的に関わっていきます。
- 小グループで話し合い
- リーダーを変える
2学期前半からは、参加的に関わってこっそりとサポートできるようにしていきます。
- 自由な活動の枠を決める
- おとなしい子もリーダーになる
担任は委任的に関わり、子どもたちにどんどん委ねていきます。
子ども一人ひとりを育ているという教育の目標を忘れずに、学級経営を1つの手段として捉える重要性が分かりましたね。
役割を固定化せず、全員にリーダーシップとフォロワーシップを身に付けさせるという視点をもち、学級経営していきましょう!

私もこの視点を忘れずに学級経営していきます!
ではまたっ!!
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