みなさんは、よりよい人生を歩むにあたって1番大切な能力ってなんだと思いますか?

それはもちろん頭の良さでしょ!
こう思うのが大半だと思います。
しかし、今その能力と同等、もしくはそれ以外に重要な能力が話題になっています。
それが今回紹介する非認知能力です!
聞いたことがない人がほとんどかもしれませんね。
- やり抜く力
- 好奇心
- 自制心
- 粘り強さ
- 楽観的な思考
こういった能力のことを非認知能力と言います。
人生を生きていく上で重要な能力である非認知能力とは、どんなものでなぜ必要なのか、現役教師である親育てが解説していきます!
この記事を書いている親育てはこんな人です。
- 現役教師
- 教育カウンセリング講座20回以上受講
- 特別支援教育経験あり
- 心理学・教育の本を20冊以上読破

ではさっそくいきましょー!
非認知能力は数値では測れない能力

認知能力と非認知能力
漢字だらけでよく分からない言葉ですよね。

そもそも認知能力を知らないのに非認知能力なんて分からないよ!
まずは認知能力とはどんなものなのでしょう。
認知能力とは、知能検査で測定できる知力(計算、文字や言葉の認識など)のこと
いわゆるテストや数値で測ることができる能力のことを言います。
とすると、非認知能力はこの逆になるわけです。
確認(認知)することができない(非)能力

え、確認できない力ってなに?汗
確認することができない能力とは、どんなものでしょうか。
非認知能力の中身
- やり抜く力
- 好奇心
- 自制心
- 粘り強さ
- 楽観的な思考
こういったものが挙げられます。
かけ算九九や漢字などの技能ではなく、習慣や態度、ものの見方のことを言います。
一言で言えば性格です!
意外だったでしょうか?
こういった能力が今社会に必要とされ、人生を豊かにするためにも重要と言われています。
非認知能力は評定や収入を高くする


ん〜でもやっぱ学力の方が必要じゃないの?大学とかさぁ就職とかさぁ有利だもん
こう思われる方多いですよね。
しかし、その常識と思われていた考え方が覆される数多くの実験や調査があります。
①学力が人生にいい影響を与えない
シカゴ大学のジェームズ・ヘックマンが高校修了同等資格の調査をしました。
高校修了同等資格とは、「高校を卒業してなくても学力があれば高校卒業したことにするよ」という資格のことです。
この資格をもった人たちを調査した結果、高卒者と資格者の学力テストのスコアは変わらないことが分かりました。

変わらないなら学校いらないね!
しかし、合格後の22歳時点で四年制の大学に在学中か、すでに高等教育を終えている人の数に違いがありました。
資格者では3%だったのに対し、高卒者は64%もいました。
つまり高校を卒業した人の方が進学率が高かったということです。
人生で大切なことが学力であれば、資格者も進学率が高くなってもいいはずです。
しかし、テストの点数が同じでも、いい影響を受けない人達がいるということが分かりました。
②雇用率、収入を高くする能力
IQを比べた実験では、収入について違いがあることが分かりました。
- 質の高い二年間の就学前プログラムに参加した子
- 自力で勉強した子
この2グループのIQテストを比べた実験では、最初は前者の方がIQが高くでましたが、数年するとほとんど同じに落ちつきました。
しかし、就学プログラムを受けた子どもの方が、雇用の割合や年収の割合が高く、逮捕歴や生活保護の割合が低いことが分かりました。

IQは同じなのにどうして?
この実験では、生活態度(遅刻、嘘など)と社会性の発達(人間関係)についての評価もとっていました。
通知表だと生活の様子の部分でしょうか。
その2つを分析してみると、年収の割合が高く逮捕歴などの割合が少なかった子どもたちは「生活態度」や「社会性の発達」といった非認知能力の評価が高い子たちでした。
③評定平均を予測
評定平均は通知表の評価の平均のことを言います。
ペンシルベニア大学のダックワースの研究によると、知能検査よりも自制心の評価の方が評定がいくつになるかの予想を当てるデータとして正確だったそうです。
つまり、自制心と評定に相関関係があるということです。
この実験で分かることは、非認知能力の方が評定平均を上げるために重要な力ということです。
非認知能力高めるには親の関わりが重要

さて、様々な研究や実験から非認知能力の大切さを分かっていただけたかと思います!

じゃあ次はどうやって非認知能力教え込んだらいいのか教えてー!
では次は、非認知能力を高める方法について解説します!!
と、言いたいところなんですが、非認知能力はかけ算などを教えるようなやり方では身につきません。
「やり抜く力が大事だ!」
と言われてもやり抜く力はつきませんよね?
「非認知能力は教えることができるスキルである」と考えるよりも、「非認知能力は子供をとりまく環境の産物である」と考えたほうがより正確であり、有益でもある。
成功する子 失敗する子 ポール・タフ著
つまり、環境が生み出すものであるということです!
環境で1番大事なのが子どもの周りの人間関係です。
つまり、家庭では親との関係が重要であり、大切なのは愛着(アタッチメント)への反応です。
アタッチメントとは、子どもが親に対して抱きつく、追いかけるなどの身体的な行動や泣く、笑うなどして関心を引く行動のことです。
幼児期に泣いた時に反応してもらった子は自立心が強く積極的になり、心に安定と自信をもたらせてくれます。
また、成長した後も重要です。
- 子どもの話をゆっくり聞く時間をとる
- 自分で決めて取り組ませる
何気ない日々の親の関わりによって非認知能力がついていくでしょう。
以前の記事にも同じような内容がありますので、そちらもぜひ読んでみてください!
逆に幼児期が不安定に育った子は、つねに警戒していなければならず、心が安定しません。
まとめ
記事のまとめです。
- 非認知能力はやり抜く力や粘り強さなどの性格のようなもの
- 学力よりも人生を豊かにしてくれる
- 大切なのは幼少からの親のアタッチメントへの反応
大切なのは親が愛情をもって育てることでした。
当たり前のようですが、なかなか難しいですよね。
ついついテレビやYouTubeを見せっぱなしにしてしまうこともあります。
苦しいときは誰かに頼りましょう。
ブログでもTwitterでも構いません。
相談などありましたらいつでもお気軽にして下さい!
ではまたっ!
参考文献
成功する子 失敗する子 ポール・タフ著
コメント