
うちの子家に帰ってきてから全く宿題をやらないし、声をかけてもやらない。どうしたらいいのかしら。
こんな悩みを抱えている方のための記事です。
こんにちは、親育て(@OyasodateBlog)です!
子供が宿題をやらないという相談は、よく保護者からいただく悩みの1つです。
いったいどうしたら宿題をしてくれるのか、そして、この私のイライラな気持ちはいつまで続くのかずーっと悩んでいるは辛いですよね。
今回の記事では、
- 宿題は何のためにあるか
- なぜやらないのか
- やらない子への対応
この3つが分かります。
結論から言うと、宿題をやらないなら放置してください!
実はそれが最善の方法なんです。
どうして放置していいのか、本記事を最後まで読んでみてください!
この記事を書いている親育てはこんな人です。
- 現役教師
- 現役パパ
- 教育カウンセリング講座50回以上受講
- 特別支援教育経験あり
- 教育・心理学関連の本を60冊以上読破

これまでの経験や心理学を取り入れた考え方ですので、信頼性があります。
宿題は何のためにする?

宿題とはそもそも何のためにしているのでしょうか。
当たり前過ぎて深く考えたこともなかったかもしれませんね。
主に、3つのねらいがあります。
①知識の定着
宿題は、学校で習ったことを定着させることが目的の1つです。
下のグラフは、人間の記憶の再生率を表したエビングハウスの忘却曲線というグラフです。

最初は覚えるのに1時間がかかっていたものでも、20分後には58%カットした時間(約25分)で覚えることができることができます。
習った直後に短い時間で思い出すことができるということが分かります。
つまり、学習後すぐに復習することで、短い時間と少ない労力で知識を身につけることができるということです。
次は、カナダのウォータールー大学の実験です。
このグラフは縦が記憶の保持率で、横が日数です。

黒の線を見てみると授業を受けた日は100%だった記憶が、日が経てば経つほど失われていっていることが分かりますね。
しかし、注目してほしいのは、黄色の線です。
これは、短時間の復習をすれば記憶が100%に戻っていくことを表しています。
最初10分だったものも、30日後には2〜4分で効果が出ているので、復習の効果が高いことが分かりますね。
この2つの実験から言えることをまとめると、
- 習った直後は短い時間で思い出せる
- 短時間復習することで記憶が100%近くに戻る
以上のことから復習の大切さがおわかりいただけたかと思います。
②学習習慣の定着
2つ目は、家で勉強する習慣を身につけるということです。
小学1年生にノートの書き方を教えるように、まずは家でも勉強することを教えます。
ですので、学習習慣の定着は主に低学年向けのねらいと言えますね。
③自ら学ぶ態度と方法を身につける
宿題は、上記の①②の目的を達成するために、みんなに同じ問題や課題が出されることがほとんどです。
ですが、中には簡単すぎる子もいれば難しくて分からない子もいます。
特に難しくてわからない子にとっては、時間もかかるし苦しいものとなってしまいます。
「一人ひとり合った課題を出せばよいのでは」と思われるかもしれませんが、例えば30人学級全員の課題を把握してそれに合うプリントを準備するとなると把握するだけで膨大な時間がかかり、現実的に不可能です。
そこで、教師の代わりに課題を決めてあげる存在が必要となります。
それは自分自身です。
自分の課題を把握して、自分自身で取り組むことができれば宿題がなくてもいい状態となりますよね。
ですから、私が1番重要だと思っているのは、自ら学ぶ態度と方法を身につけることです。
そのために、自主学習ノートを作成して取り組んでいる学校もありますよね。
また、自主学習の方法について書かれた書籍も数多く出版されています。
中学・高校となるとテストのための勉強は自分で行わなければいけません。
また、社会に出てからも自身の課題を教えてくれる人はいませんし、学ぶときには自分自身で取り組んでいかなければいけません。
つまり、宿題というのは自分自身で学んでいく意欲やその方法を身につけるためのものになるわけです。

自転車の補助輪と一緒で、宿題も自分で学ぶことができれば必要なくなっていくんですね!
なぜ宿題をやらないのか


いずれは自分で勉強できるようにならなければいけないことは分かったわ。
でもそもそも宿題をしないのが問題なの!

宿題をやらないのが問題でしたね!
では、次はやらない原因を考えてみましょう。
宿題はやらされているもの
宿題は自ら進んでやるものではなく、誰かに出されるものです。
誰かの命令によって取り組ませられているので、やる気がでないのが基本なのではないでしょうか。

宿題やっている時点ですごいってことです!
必要感がない
宿題をやっているこの中には、
- テストのため
- 分かるようになるため
- 勉強が楽しい
など、取り組む理由が自分なりにあり、それがモチベーションに繋がっている場合があります。
このように、何かに取り組むときの理由が自分自身にある場合のことを内発的動機づけと言います。
宿題をしない子にはこの内発的動機づけがないんです。
なんのために勉強するのか、勉強する意味ってあるのかなど、自分の中に必要感がなく、やる気も生まれてこないんです。

うちの子はやる気を出させるために、ご褒美や子供の好きなことを用意してあげているわ
このように工夫してやる気を出させようと取り組んでいる方もいますよね。
これを外発的動機づけと言います。
内発的動機づけと逆で、理由がご褒美のように自分以外にある場合のことを言います。

私だって試したけどうちの子にはきかなかったわ
外発的動機づけでうまくいく可能性ももちろんありますが、それでもうまくいかない場合もあります。
また、外発的動機づけもいずれは自ら学習していける内発的動機づけに変わっていく必要があります。
分からないことへの抵抗
やる気があっても宿題があまりに難しいとやる気が無くなってしまいます。
また、そういう子は自分で調べたり振り返ったりする方法もわからないケースが多いので、何もできず時間が過ぎていってしまいます。

うちでは宿題は一緒に取り組んでいます。わからない問題は教えてあげることで最後まで取り組めていますよ
一緒に取り組んであげることでこの問題は解決できそうですね。
また、教えてあげるだけでなく、分からないときどうやって解決したらいいのかも教えてあげるといいでしょう。
- 辞書を引く
- 教科書やノートのまとめを見る
- 先生に朝聞く
こうすることで、一人でも学習を進めていけるようになっていきます。

うちの子は教えようとすると、「学校とやり方が違う」とか「やっぱり分かんない」とか言って結局やらないわ

いろいろ試してもうまくいかないこともありますよね。
では、いよいよ次は宿題をやらない子への対処法を解説していきたいとお思います!
宿題をやらないなら放置しよう

最初にも言いましたが、結論宿題は放置していいです!

えーーーー!じゃあ全く勉強してなくても放置してたらいいわけ?

はい、いいんです!
驚くかもしれませんが、その方が子供にとっても親にとってもメリットがあります!
「放置」というより、「見守る」に近いかもしれません。
では、なぜ見守るだけでいいのかについてこれから詳しく解説していきます。
宿題は子供の課題
皆さん毎日こんなこと思っていませんか?

全然宿題やらなくてイライラする!
宿題してくれない子供を見るとイライラしますよね。
でも、冷静になって考えてみましょう。
宿題は誰がするものなのでしょうか。
宿題をしなかったら誰が困るのでしょうか。
そう、子供ですよね。
人間は自分の課題は解決できますが、他者の課題について解決できません。
やるかやらないか決めるのは本人だからです。
このように、課題が誰のものか明らかにすることをアドラー心理学では、課題の分離と言います。
アドラー心理学とは、心理学の3大巨匠の1人であるアルフレッド・アドラーが生み出した心理学です。
詳しくアドラー心理学について知りたい方は、過去の記事を参考にしてください!
例えば、
- 隣の家の庭が手入れされていなくて汚い
- 旦那の猫背が気になる
- 会社の同僚の仕事効率が悪くていつも残業している
これら全て他人の課題です。
自分が解決できる問題ではありません。
こうしてみると、変なことに悩んでるな〜と思うかもしれませんが、人は日々他人の課題に首を突っ込んでいるわけです。
課題の分離をしよう
課題の分離ができないとどうなるかは皆さん経験済みですよね。
- イライラする
- 悩み続ける
- 自分に力がないと感じ落ち込む
解決できない他者の課題は悩まなくていいんです。
ですから、宿題についても誰の課題なのかはっきり理解しておきましょう。
宿題は自分の課題ではなく、子供の課題です。
結末を経験させる
そして、次に大切なのが結末体験です。
これは、課題をしなかったらどうなるのかということを本人が体験し、責任をとることです。
そうすることで、自分でどうにかしなければと、考えるきっかけとなります。
宿題で言うと、
- 先生に怒られる
- 居残りして取り組む
- 休み時間取り組む
- テストの点数が悪い
こういった結末になるのではないでしょうか。
この結末を体験して、どうにかしなければと考えようとしていれば、親御さんの出番がきます。
このままでいいという考え方であれば、この結末を受け入れ続けていくことになります。
それも本人が決めることです。
ここで注意ですが、結末を体験させるには担任の先生の協力が必要となります。
宿題は声をかけてもやらないことを伝えて、相談してみましょう。
きっと学校でやったり先生が教えたりと、対策を考えてくれます。

宿題は学校が出しているものですから、先生が責任をもつものです!
先生にも考えてもらいましょう!
支援する準備ができていることを伝える

でも、今のうち勉強しておかないと将来大変になるわ!私にできることはないの?
課題の分離ができた後でも、できることがあります。
それは、お子さんを手伝う準備をしておくことです。

え?手伝うんじゃなくて準備だけ?
手伝うのは、本人が助けを求めてきたときにするものです。
「いつでも手伝うからね」と準備ができていること、見守っていることを伝え、お子さんが結末を体験し、勉強を行うの信じて待ちましょう。

「信じて待つ」これが大切です!
自分の気持ちは伝えよう

信じるのは分かったわ。でも勉強しない子供に何も言っちゃいけないの?
いいえ、言ってもいいんです。
ただし!
自分の気持ちを伝えるような言い方を心がけてください。
- 私は勉強ついていけるか心配だよ
- 私はあなたの将来が不安だよ
- 私は勉強は大事だと思っているよ
このような、言い方をアイ・メッセージと言います。
主語が「私」になる言い方です。
自分の主張は我慢せず伝えていきましょう。
しかし、最後にやるかやらないか決めるのは、本人です。
命令ではなく、自分の考えを伝えて信じて待ちましょう。
まとめ
今回は、宿題をしない子供への対応について解説してきました。
重要ポイントは以下の通りです。
- やらないならそのまま放置する
- やらない結末を体験させる
- 本人がやろうとしたとき、手伝えることを伝える
- 自分の気持ちは伝える
これまであらゆる手をつくしてきたけど、上手くいかなかった方が多いと思います。
解決策は至ってシンプルで、放置して見守ることでした。
ぜひ、1度お子さんを信じて試してみてください!
ではまたっ!!
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