子どもが話を聞けない原因かもしれないAPDとは?【聴覚情報処理障害】

教育
教師
教師

授業中、全体指示じゃ話が伝わっていない子がいるんだよな〜

子ども
子ども

先生が何を言っているかわからないな〜

こんな教師や子どもをもつ人向けの記事です。

クラスに一人は全体指示の後に、個別に話しかけにいく子がいませんか?

もしかしたらそれは、APD(聴覚情報処理障害)かもしれません。

今回は近年発見され、今なお研究が続けられているAPDという障害について解説していきます。

この記事を書いている親育てはこんな人です。

親育て
  • 現役教師
  • 教育カウンセリング講座10回以上受講
  • 特別支援教育経験あり
親育て
親育て

では解説してきます!

APDとは

  • 雑音の中
  • 口頭での指示
  • 聞きながらメモする

このような条件下になると、聴力検査でも異常がなく音も聞こえているのに、相手の言葉を聞き取ることができない症状が出てしまいます。

このように、聞こえているのに聞き取り困難な状態をAPD(聴覚情報処理障害)と言います。

耳から入った情報を脳で処理して言葉で理解するプロセスの中で、障害が生じている状態と言われています。

まだまだ、世間の認知も低く、本人も周りも気付きにくい症状でもあるため、発見されにくい障害かもしれませんね。

APDのタイプ

APDの原因には4つの要因があるとされています。

脳損傷タイプ

病気や事故が原因で脳が傷つき、症状が出る場合があります。

発達障害タイプ

発達障害とは、脳の機能に障害があり、発達に偏りがあることです。

  • 自閉症スペクトラム(ASD)
  • 注意欠陥・多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD)

の3種類あります。

それぞれの詳しい特性については以前の記事にまとめてありますので、そちらをご覧ください。

発達障害をもつ人は、耳から情報を得ることを得意としていません。

  • 聞き間違いが多い
  • 雑音の中だと聞き取れない
  • 話が長いと途中でわからなくなる

ですので、発達障害をもつ人はAPD症状を訴えるケースが一番多いようです。

ASDの場合だと、言葉のニュアンスから相手の気持ちを汲み取ることができない場合があります。

ADHDだと、不注意が原因で話を聞いていなかったり、聞き間違えたりしてしまいます。

LDは、幼少時代にしっかり発音を覚えられないために、聞き取りづらくなっていると言われています。

不注意・記憶力が弱いタイプ

不注意な人
不注意な人

発達障害ではないけど、注意力がないんだよね

発達障害の傾向がみられても、診断が出ない人たちもいます。

いわゆるグレーゾーンと呼ばれているものですね。

人は誰にでも得意なことや苦手なことがあります。

つまり、みんなグレーゾーンにいるということです。

障害の重さや頻度で色が違うだけで、みんな困り感をもっているというのが私の考えです。

ですので、不注意や記憶力に困り感をもっている人がAPD症状に困っている場合もあります。

人が「聞きとる」には2つの力が重要になってきます。

  1. 注意力
  2. 記憶力

人は、相手の話を集中して聞き、内容を理解しながら記憶していくことで聞きとっています。

ですので、この2つに困り感があると、聞く力も弱く、聞きとれない可能性があります。

注意力が低い人
注意力が低い人

相手の話を聞こうと集中しているんだけどな〜

私たちが思っている注意力とは、なにか一つに集中し続けることが一般的ではないでしょうか。

実は、注意力には4つの種類があり、どれかが欠けてもAPD症状が出てしまいます!

①持続的注意

これは最初に挙げた、1つのことに注意を持続し続ける力のことです。

②選択的注意

数ある情報の中から必要な情報だけを選ぶ力のことです。

集中しているとそれ以外の音が聞こえなくなったり、見えなくなったりしますよね。

③分配的注意

いくつかのことに同時に注意を向ける力のことです。

例えば、複数人で会話をする時などが挙げられます。

④注意の転換

これは、注意していたものから他のものに注意を向けて切り替える力です。

以上のように、私たちは簡単に話を聞いているようで、実は様々な力を多く使うことで聞きとっていることが分かりましたね。

心理的な問題タイプ

ストレスや心理的要因が原因でAPDになることもあります。

対処法

ここまで、APDについて詳しく話してきました。

次からは、どのように対応していけばいいのか解説していきます!

環境づくり

まずは、聞きとりやすい環境づくりを行いましょう。

家庭

家庭であれば、会話や食事の時にテレビを消して静かな状態にするといいでしょう。

また、洗濯の音やボイラーの音などの生活音が聞こえてこないように扉を閉めるなどの方法も考えられます。

学校

まずは、誰もが集中して学習できるように、学級の規律を整えましょう。

質問は挙手してから行う。

机の上には必要なものだけ置く。

そういったところからまずは始めてみましょう。

そして、座席は先生に近い前が好ましいです。

また、板書を写すときには指示を出さず、メリハリある学級経営を行いましょう。

トレーニング

語彙力を増やして分からない言葉の数を少なくしていきましょう。

読書や絵本の読み聞かせがいいでしょう。

CDやラジオを聞いて、聞く練習をしてみましょう。

聞いた内容を元にクイズを出題して答えてもらうのなども練習にいいかもしれません。

周囲の理解を得る

聞きとりに困り感があることを周囲に打ち明けて、配慮してもらうことを対処の一つです。

まだまだ世間の認知が低いのが現状です。

理解が広まってくれば、誰もが聞きとれる配慮も当たり前になるかもしれませんが、自分から伝えることで、配慮してくれる可能性もあります。

まとめ
  • APDは聞こえているのに聞きとり困難な状態
  • APDの要因は4つある
  • 環境を整えたりトレーニングを続けたりしていく
  • 周囲の理解を得ることも大切

今回は、聞きとりの障害APDについてでした。

世の中にはまだまだ知らない障害や症状があります。

それに困っている子どもがクラスにいるかもしれません。

まずは、知るところから始めていきましょう!!

ではまたっ!

参考文献 APD 「音は聞こえているのに聞きとれない」人たち

著 小渕 千絵 

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