
いきなり担任か〜。ちゃんと学級経営できるか心配だ。
そんな初任者の人たちのための記事です!
大学を卒業し、配属校に初めて顔を出したと思ったらあっという間に新年度が始まります。
初めての社会、初めての職場、初めてのクラスと初めてづくしの初任者が、担任をもつのはかなり難易度が高いです。
そんな初任者の方でも「これだけやっとけばなんとかなる!」という学級経営の基本中の基本の原理を10個紹介します!
初任者の頃は、授業の質や学力よりも学級をまとめることができるのかが1番の不安です。
私も実際そうでした。
この原理を使うことができれば、静かに授業を受けることができる集団となるはずですので、1つでも多く身につけてもらえたらと思います!
この記事を書いている親育てはこんな人です。
- 現役教師
- 教育カウンセリング講座20回以上受講
- 特別支援教育経験あり
- 教育書や心理学のの本を40冊以上読破

私も今まで実践してきたので再現性があります!
初任者が知っておきたい学級経営10の原理

①一時一事の原理
「子どもに指示を出すときは、1回につき1つ指示を出す」というものです。
子どもは指示を覚えておくワーキングメモリの容量が少ないです。
ですから、一気に指示を出しても1つか2つしか覚えておくことができません。
ですので、たった1つの明確な指示を与え、それができたら次の明確な指示を与えましょう。

黒板を写し終わったら漢字練習をします。漢字練習は昨日続きからで、できたら先生に持ってきてください。書くときは姿勢を正しくして書きましょう。
一度に多くの指示を出してしまっています。

黒板を写しましょう。

昨日の続きから漢字練習をしましょう。足を床につけて書きましょう。
1つずつ指示を出していますね。
「足を床につけて」と具体的な姿勢の良さを伝えているので指示が明確です。
②全体指導の原理
「指示をするときには一人残らず全員に伝える」というものです。
個別に対応をしていると、時間がなくなってしまうの言うまでもありません。
また、複数人にその場で考えて指示を出していると回答に微妙なズレが生じてきたり、食い違いがおこってしまったりする可能性があります。
ですので、質問が出た場合はその場で回答するのではなく、一旦作業を止め、全体に回答をするようにしましょう。
同じことを何度も言うのは先生にとってイライラの原因になりますので、自分のためにもぜひ覚えておきましょう!
③簡明の原理
「指示や発問を短く限定して述べる」というものです。
先生方は子どもたちに多くのことを学んで欲しいあまりに詳しく長い説明をついついしてしまいます。
でもそれって1つ目の原理でも言ったように子どもには半分も入っていきません。
一生懸命な先生ほどこの罠にかかりがちです。
ですから、絞った発問を心がけます。
また、そのときに数字を入れるとより分かりやすくなります。

今日はマット運動をします。今日頑張って欲しいのは前転する時の手です。しっかりマットにつけないとケガにつながるので気をつけましょう。また、他の友達の上手なところも見つけられるようにちゃんと見ておきましょう。

3回練習したら最初の位置に戻りましょう。
短い指示と活動で、メリハリある授業になります。
また、子どもたちも飽きることなく、集中して取り組めるでしょう。
④空白禁止の原理
「一人も授業中に何もしない空白の時間を作らない」というものです。
- ちょっと待ってて
- 確かめをしていてね
こんな言葉をかけている人は要注意です!
子どもたちは暇な時間を与えられると遊んでしまいます。
例えば、丸つけを待つ行列は空白の時間です。
- 1問ずつ取り組ませ、回転率を上げる
- 回答を黒板に貼ったり、テレビに写して個人で丸つけができるようにする
空く時間がないように事前の準備をしておきましょう。
⑤定着確認の原理
「指導の途中で定着率を確認する」というものです。
分かるには3段階あります。
- なんとなく知ってる
- 理屈が分かる
- できる
子どもたちが本当に③の状態にきているか確認するようにしましょう。

みんな分かりましたか?

はーい!
これよくやりがちですよね。
あとから「さっきはいって言ったよね!」と何度言ったことか・・・笑
これでは確認することはできません。
実際にできるか試すことが大切です。
- 分かった人は挙手させ、説明させる
- 隣の人と説明し合う
- 問題を解かせ、クリアしたら黒板にネームプレートを貼る
本当に理解できたのか、何人ほど定着しているのか把握することで次の授業が変わってきます。
ぜひ、授業の中に取り入れてみてください!
⑥即時対応の原理
「トラブルの解決や指導する場合はとにかく初動を早くする」ということです。
スピード対応が信頼関係に大きく影響します。
例えば今日あった出来事を保護者に報告する早さが、今後の信頼関係の分かれ道となります。
- 子どもが帰る前に連絡を入れる
- 子どもから親に情報が伝わってしまった後で連絡を入れる
子どもから伝わる情報というのはどうしても歪曲してしまいます。
ですから、先手を打ってこちらから情報を伝えることが重要です。
また、保護者からの相談の電話があった際には、今後の見通しをしっかり伝え、結果や経過を報告しておくことも大切なことです。
⑦2:6:2の原理
「クラスの20%は自分に協力的で20パーセントは反抗的である。残りの60%はどちらでもない。」ということです。
よく聞く法則ですよね。
学級経営をする上で、一番注目して欲しい法則の中の数字は、真ん中の60%です。
この60%をサイレントマジョリティ(沈黙した大多数)と言い、どちらの立場にも動く存在です。
このサイレントマジョリティを味方につけられるかが大切です!
協力的な20%の子どもたちに60%をどんどん引っ張ってもらう機会を作ったり、サイレントマジョリティたちが活躍する場面を意図的に作ったりしましょう。
⑧ヒドュンカリキュラムの原理
ヒドュンカリキュラムとは、表には出ない隠れたカリキュラム(無意識に教え続ける知識・文化・規範)のことです。
たくさんあって紹介しきれないので、今回はその中の1つにあるモデリングを紹介します。
簡単に言うと、子どもは先生のマネをするということです。
- 教師がチャイムが鳴った後に教室に来ている。→時間に遅れてもいい
- 教師が嫌味な言い方をする。→子どもも嫌味を言い始める
「時間を守りなさい」と指導していても自分が守れていなければ、子どもたちに浸透していくことはありません。
逆に自分が良いお手本となることができれば
子どももマネをしてくれます!
普段からの接し方や行動の仕方を見直してみましょう。
⑨ブロークン・ウィンドウズの原理
「小さな変化はやがて大きな変化につながる」ということです。
別名、割れ窓理論とも言って、小さいヒビがきっかけで窓が割れるようにという意味です。
例えば
- 消しゴムのカスが床に散乱している
- ロッカーが乱れている
- 机が乱れている
- 黒板が汚い
など、小さなことかもしれませんが、放っておくといずれ学級崩壊につながる恐れがあります。
(気になるな)と思ったことはすぐ伝えていきましょう。
小さいうちは大した労力がいらないです。
学級崩壊の芽は小さなうちに摘んでおくといいですね!
⑩イニシアティブの原理
「最終的には教師に決定権がある」ということです。
今の時代は1番重要かもしれませんね。
主導権を握るためには、活動のねらいを明確にしてアイメッセージで伝えましょう!
- 私は〜したい
- この活動で君たちに〜なってほしい
しっかり伝えることができれば子どもたちも納得感をもって活動してくれるでしょう。
まとめ
今回の記事をまとめます。
- まずは落ち着いて授業を受けれる学級経営を目標にする
- 一時一事の原則…一つずつ指示
- 全体指導の原理…指示や質問は全体に聞かせる
- 簡明の原理…指示は数字を入れてシンプルに
- 空白禁止の原理…暇な時間を作らない
- 定着確認の原理…定着率を確かめる
- 即時対応の原理…保護者対応はスピード重視
- 2:6:2の原理…サイレントマジョリティを味方にする
- ヒドゥンカリキュラムの原理…見えない部分に気をつける
- ブロークンウィンドウの原理…小さなトラブルはすぐ解決する
- イニシアティブの原理…主導権を先生がもつ
いかがでしたか?
先生って授業をどう進めていくか考えることが仕事と思われる方が多いと思います。
ですが、子どもとはいえ集団です。
集団をリードしていくことが担任として1番大変で、やりがいのある仕事だと私は思います。
そういった集団になれば、少しくらい授業が下手でも子どもたちはついてきてくれます!
教材研究は、よい集団ができてからでも遅くはないと思います。
是非参考にしてみてください!
学級経営についての本や教師力向上につながる本を紹介しているのでそちらもぜひ読んでみてください!
ではまたっ!!
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