
最近、クラスの雰囲気がよくないな。

物がなくなったり授業中うるさかったりで落ち着かない。
こんなサインに気づいた先生の方のための記事です。
教育関係者であれば、学級崩壊という言葉はよく聞く言葉です。
自分の学校でも起こった経験がある方もいらっしゃるでしょう。
学級崩壊は一瞬で起こるものではなく、積み重ねてきた不満がある日崩れて起こります。
その子どもたちの不満になんとなく気づく先生もいます。
実際私もそうでした。
しかし、そこからどうやってクラスを立て直していけばいいのか分からない先生(特に初任者)のために、初任の頃学級崩壊しかけた私がそのときに取り組んだことを紹介します!
実際この取り組みのおかげでクラスは落ち着きを取り戻し、2年間持たせてもらうことができました!
今学級経営で苦しんでいる先生方の参考になれば嬉しいです。
この記事を書いている親育てはこんな人です。
- 現役教師
- 教育カウンセリング講座20回以上受講
- 特別支援教育経験あり
- 育児・心理学の本を50冊以上読破

学級崩壊前ならやり直せることを身をもって経験したので、参考にしてください!
今回の取り組みは様々な書籍を参考にしています。
下記の記事にまとめていますので、こちらもご覧ください!
学級崩壊とは

学級崩壊は公式な言い方ではありません。
実際、文科省で学級崩壊という言葉は使われていません。
一般的に言うと、ルールや信頼関係がなく、問題行動が増え、教師のリーダーシップがなくなっており、教育ができる環境ではない状態のことです。
冒頭でも言いましたが、学級崩壊はいきなり起こるものではないので、一度崩れると担任の先生だけで立て直すのは不可能です。
そこまでくると学校全体で対応していかなければなりません。
学級崩壊の兆し【経験談あり】

学級崩壊へ向かう途中で気づくことができれば、担任の力でまた良いクラスへ戻すことも可能です。
クラスで起こることや子どもの様子の変化が必ずあります。
そういった小さいことを放っておくと学級崩壊につながります。
例を見てみましょう。
- 教室のロッカーや机の中が乱れている
- 活躍する子がいつも同じ
- 授業中私語が多い
- 授業中違うことをしている
- 子ども同士のトラブルが増える
- 物がなくなる
- 友達を注意しなくなる
など、挙げるとキリがないほど出てきます。
大事なのは、今までと違うな、なにかおかしいなと担任が感じることです。
そう思ったということは、やはりクラスが少し良くない方へ向かっているんです。
自分のクラスのことは自分が一番良く分かっているので、自分のフィーリングは信じましょう。
私の場合は、授業中手紙のやり取りがありました。
ここまでだったらかわいいのですが、そこに書かれていたのが私の悪口でかなりショックを受けました・・・。
初めて泣きました。笑
初任でなんとなくクラスをまとめることができていた私は、どこか油断していました。
「子どもをまとめるのは簡単だな」
仕事に対して驕りがありました。
手紙の件で、そんな自分が招いたことだと反省し、子どもたちに不満があることを知ることができたので、立て直していこうと決心しました!
他にもQUアンケートを実施している学校であれば、プロット図を見れば学級の状態が分かります。
荒れ始め型であれば要注意ですね!
QUアンケートについてはこちらの記事をご覧ください。
学級崩壊を感じたときの立て直し方

ここからは実際に私がクラスを立て直すために取り組んだことを紹介していきます。
子どもとのラポールを築く
ラポール=信頼関係です
まずは教師と子どもたちの関係性から見直しました!
- 信頼関係を失った子
- 元々関係が希薄な子
振り返ってみると、決められた少人数の子どもとしかほとんど会話をしていないことや日によっては一言も喋らない子もいることに気付きました。
これではまずいと思い、ラポールを築けるように4つの行動を始めました。
- 名前を呼んであいさつ
- 好きなことを話す
- 給食は一緒に食べる
- 休み時間は遊ぶ
クラスの人数が多く、1日の中で喋らない子もいたのでまずは一人ずつあいさつをすることにしました。
教室に入り、まずは「おはよう」と全体に声をかけます。
その後、荷物を置いて教室を歩き回ってあいさつをします。
そうすることで確実に全員と言葉を交わすことができます。
また、教室ではどのように過ごしているのか、誰と誰が一緒にいるのかも自然と分かり、実態把握もできるようになりました。
これでも十分効果があるのですが、さらにラポールを築くための大事なポイントがあります!
それはあいさつの前に、名前をプラスするということです。

たかしくん、おはよう!

おはよう、先生!
人は名前を呼ばれると親近感を覚えます。
名前をというのはその人のアイデンティティで、その人だけのものです。
大事な名前を呼んでもらえることで、信頼感が高まります。
簡単かつ効果的なものなので、ぜひ呼んでください!
他にも相手の好きなことを話すことでラポールを築くことができます。
子どもたちが興味あるゲームやアニメ、YouTuberについて先生が詳しいと、子どもたちは途端に目を輝かせてどんどん話してくれます!
こちらも嬉しくなりますね!
そういった時間を確保するために給食時間は色々な席を回って話すようにしました。
また、休み時間は子ども達とたくさん遊びました。
一番信頼関係を築けるかもしれません。
一緒に遊ぶことで、休み時間のトラブルもその場で指導できるので、聞きとりや授業時間の指導など余計なことがなくなりました。
以上4つの行動を毎日続けて、子供達とのラポールを築くように心がけました。
すると、少しずつ子どもたちの本音を聞く機会が増えました。
- 音楽はきらいだから勉強したくないよ
- 野球部に入りたいな
- ○○君が好きなんだ
本音や弱みを見せることは信頼の証です。
効果を実感でき、学級の雰囲気もよくなってきました。
教室をきれいに保つ
教室の乱れは心の乱れです。
汚れたままの教室だと、子どもたちは汚してもいいんだと学習してしまいます。
これを見えないカリキュラム(ヒドュンカリキュラム)と言います。
以前の記事でも紹介しているので、興味ある方はそちらもご覧ください!
ゴミが捨てられている場所にはゴミが集まるのと同じです。
常に清潔を保ち、治安が良いクラス環境を維持することを心がけました。
毎日放課後子どもたちが帰ったら机を整え、ほうきで履きました。
そうすると、落としものもすぐ本人に戻るし、物がなくなることもなくなり安心して勉強できるクラスとなっていきました。
授業スタイルの変更

最後に取り組んだことは、授業スタイルの変更です。
これまでの授業は、指導書通りの授業の進め方で子どもたちに動きがなく、マンネリ化していました。
そこで、子ども同士の関係も広げるために普段関わりがない子と関わるよう機会を設定しました。
具体的には、自由に教室を歩き回って交流する時間などです。
今までももちろん取り組んでいましたが、仲の良い友達と交流して終わりになっていました。
ねらいを明確にする必要があります。
「分かった子は分からない子に教えにいく、分からない子は分かる子に聞きにいく」
と交流のねらいを明確にすることで目的達成のための交流となります!
また、挙手する子どもが固定化され、頑張らなくても進む授業になっていたのも課題でした。
そういった隙を与えないために、挙手を少なくして、どんどん指名していくスタイルに変更しました。
また、誰でも答えられる難易度の問題を授業の最初や最後に設定し、正解したら座っていくということもしました。
逆に頭のいい子をあえて残し、難しい問題を出すと上位の子もやりがいを感じてくれます。
とにかく全員が参加できる授業を目指し、日々改善していきました。
民主的な学級作り

学級崩壊以前のクラスは、とにかく先生がルールを決めて先生の言うことを聞くという管理型のクラス運営をしていました。
これでは、担任に従うことしか許されず、いずれ反感を買う事になってしまいます。
そこで、子供たちと徐々に本音で話せるようになってきたときに、
- 「君はどうしたい?」
- 「みんなはどうなったらいい?」
- 「どうするか自分たちで話してごらん」
などと、投げかけてみました。
すると子供たちそれぞれにも思いがあって、考えからは様々あることに気づきました。
それに子供たちも気づき、多様な考えを折り合いをつけて解決する経験をしました。
もちろん最初からうまくいくわけではありませんが、社会に出るまでに繰り返し経験を積むことが重要で、その機会を与えてあげられていませんでした。
学級のルール作りに参画することで、当事者意識が芽生えます。
自身だけでなく、お互いに気をつけ合うことにもつながるので、主権は子供たちにあることを忘れず学級経営を行っていきましょう。
こちらの本に民主的な学級作りについて詳しく書いていますので、参考にしてみてください。
アドラー心理学に基づいた学級経営が分かります。
まとめ
今回の記事をまとめます。
- 学級崩壊はいきなり起こるものではなく、日々の不満の積み重ねが崩れた時に起こる
- 崩れる前なら、担任の努力次第で良いクラスへと戻すことができる
- 子どもとラポールを築く
- 教室はきれいにする
- 授業は隙を見せず、全員が参加できるようにする
- 学級の主権は子供たちにある
学級崩壊は担任にとっても子どもにとっても苦しいです。
事前に子どもたちからのサインを察知して、小さいうちに対応していくことが重要になってきます。

なにより子どもとの関係が大切だと痛感しました!
皆さんの学級経営の力になれたら嬉しいです!
また、別の記事で教師におすすめの本も紹介しているので是非参考にしてみてください!
ではまたっ!
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