
うちの子癇癪を起こしちゃってどうしたらいいか困ってるんだよな

うちの子は目が悪いからメガネをかけさせたいけど、嫌がってつけてくれないわ
子育てしていると、色々困る場面がありますよね。
特に、自閉症スペクトラムなどの発達障害をもつお子さんの子育てというのは、多くの労力と時間を費やします。
また、障害については義務教育では勉強しないので、知識がなくて困っている方もいるのではないでしょうか。
そんな親御さんや先生方の力になる心理学、行動分析学を紹介します!
その子の障がいではなく行動を変えようとアプローチする心理学で、子どもの好きなものや嫌いなものを使いながら良い行動を身につけていきます。
以前の記事で基本的な部分を解説しているので、見てないという方は、まずはこちらをご覧になってください!
この記事を書いている親育てはこんな人です。
- 現役教師
- 教育カウンセリング講座20回以上受講
- 特別支援教育経験あり
- 育児・心理学の本を20冊以上読破

一緒に学んでいきましょう!
自閉症の行動を修正する子育て① 消去

例えば、口が悪い子どもがいたとしましょう。
- ぼけ
- ばか
- あほ
こんな言葉を言うたびに、お母さんは止めさせようと反応します。

こら、そんな言葉言うのは止めなさい!
実は、このお母さんが反応してくれることが子どもにとって嬉しいこと(好子)となって、悪口を言うという行動を強化しているです!

- 好子・・・その人にとって良いことや出来事
- 強化・・・行動の頻度が増えること
お母さんが忙しくて、いつも反応してくれなかったら悪いことをしてでも注目を集めようとします。
この行動に対して得られていた好子(母の反応)を与えないことを消去と言います。

悪口を言っても子どもにとって嬉しいこと(好子)がなくなるので、回数が減っていくということです!
最初はひどくなる!だけどいずれ落ち着く
消去を始めてもすぐになくなるわけではありません。
絶対覚えておいて欲しいのですが、消去した直後は行動の頻度が爆発的に増加します!
これをバーストと言います。
バーストは一時的なものなので、しばらくすると落ち着きます。
ここで反応してしまうと消去に失敗してしまうので、バーストが起こるんだなと前もって心づもりしておきましょう!
他の場面で反応しましょう
不適切な行動がなくなったからと言って、解決にはなりません。
今回の例だと子どもは反応がほしかったので、悪口を言う行動を取りました。
ですので、別の場面で反応したり関わったりして、子どもを満たしてあげるのも大切です。
自閉症の行動を修正する子育て② 過剰修正

次は、過剰修正という方法をご紹介します。
なんでも物を投げたり壊したりする子どもを例にしましょう。
いつも家の机や、リモコンなどを投げてしまう問題行動を繰り返しています。
そこで、投げてしまったものは元どおりの場所に戻させて、さらにもう一つ仕事を追加します。
- 机の上の物を投げたら机を拭かせる
- ゴミ箱を投げたらゴミ出しをさせる
- コップを投げたら床磨きをさせる
など、自分がしたことに関連する良い行いをプラスさせます。
これを過剰修正と言います。

掃除や片付けは嫌なこと(嫌子)になり、物を投げることを弱化させます。
- 嫌子・・・その人にとって嫌なことや出来事
- 弱化・・・行動の頻度が減ること
〈注意〉
以前の記事でも書きましたが、嫌子を使った弱化は専門的な知識を必要とする方法です。
嫌子と銘打った体罰や虐待になりかねないからです。
正しい知識をもった専門家の元で行うようにしましょう。
自閉症の行動を修正する子育て③ シェイピング

最後はシェイピングです。
これは子どもが望ましい行動を全くせず、強化できない場合に役立つ方法です。
靴下を履くのを嫌がるA君がいたと仮定しましょう。
A君は靴下を履くことを嫌がって一度も履いたことがありません。
こんなときにシェイピングを使いましょう!
まずはゴールとなる行動を決めます。
ここでは「靴下を履く」がゴールになりますね。
次に、今できている行動の中で一番ゴールに近い行動を探します。
A君は「靴下を触る」ことはできますので、ここがスタートです。
靴下を触れば、おやつを与えて強化していきます!
靴下をすぐに触るようになったら、次は靴下を2つに分けたときだけおやつを与えて強化します。
これもできてきたら、つま先だけ入れる行動を強化します。
最終的に靴下を履いたときだけ強化して、履けるようになりました!
このように、できることから強化していき、ゴールとなる行動へ近づけていく方法がシェイピングです!
- 最終行動目標を決める
- 今できる行動の中で、最も行動目標に近い行動をスタートとする
- スタートの行動から強化し、徐々に行動レベルを高めていく
まとめ
今回の記事をまとめます。
- 行動分析学は、障がいを直すのではなく、行動を修正したり身につけたりする心理学
- 消去・・・行動を強化している好子を取り除くと行動の頻度が減る
- 過剰修正・・・嫌子に+で関連した良い行いをさせる
- シェイピング・・・最終目標行動に近い行動を強化して近づけていく
今回は、3つの方法をご紹介しました。
ですが、これが必ずしもうまくいくとは限りません。
一人ひとり困り感が違ったり合う合わないがあります。
だからこそ色々な方法を知り、試していくことが大切だと思いますので、その助けになったら嬉しいです。

他にもいろんな方法があるので、ぜひ調べてみてください!
私も情報を発信し続けます!
ではまたっ!
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