
子どもがあんまり話をしてくれないんだよな〜

話の聞き方を知りたいな〜
こんな悩みを抱えている先生方に向けた記事です!
こんにちは、親育て(@OyasodateBlog)です!
日々子どもと接している中で、子どもとの会話が淡白だったり、弾まなかったりしたことはありませんか?
また、個別の面談の中などであんまり子どもが話したがらない様子を感じたことはありませんか?
それ、子どものせいではなく、先生側の聞き方に問題があるかもしれません!
今回は、子どもの話を傾聴できない人の特徴3つを解説します。
もし当てはまっていたら聞き方の改善が必要です!
傾聴の仕方についても解説しますので、最後までご覧ください。
この記事を書いている親育てはこんな人です。
- 現役教師+一児の親
- 教育カウンセリング講座20回以上受講
- 特別支援教育経験あり
- 教育・心理学関連の本を30冊以上読破

今回も一緒に勉強していきましょう!
傾聴とは?

よく聞く言葉の傾聴ですが、どのような意味でしょうか。
辞書にはこう書いています。
耳を傾けて、熱心に聞くこと。
goo辞書より
相手の話をじっくりと理解しようとするカウンセリング技法です。
カウンセリングの神様、カール・ロジャーズがアクティブリスニングとして提唱しました。
- 問題が何か、どこに向かっていけばいいのか、解決するにはどうしたらいいのかを知っているのは、本人である。
- セラピストは自分の力を誇示したりアドバイスしたりする必要がなく、相手の思考が整理されるよう聴く。
このような観点から傾聴が指示されてきました。
この傾聴はもちろん学校現場でも必要な力となってきます。
子どもを信じ、解決できるよう聴く力は子どもの自立を促します。
しかし、これができていない先生方も多いのが現実です。

俺は傾聴できてるかな・・・
自分はどうでしょうか?
傾聴できていない先生の特徴を見てみましょう!
傾聴できない先生の特徴3選

技能に頼る
先生方は色々な本を読んだり、研修に参加したりして知識を身につけています。
私もそうだったのですが、知識を得たばかりだと技能面ばかり先行して、本来の目的やその理論を完成させた人の思いなどがないがしろになってしまいます。
物事の本質が一番大事です。
例えば傾聴であれば、よく聞くテクニックとして、
- 相手の言葉をそのまま返す
- 感情のフィードバック
もちろんこの技術は必要になってくると思います。
しかし、
- なぜこのような聴き方がよいのか
- 自分は子どもの話をどう聴きたいのか
この根本が抜けているのであれば、ただの小手先の技術になってしまいます。
結論を出したがる

先生、最近算数の宿題が難しすぎて解けないよ

そっか、じゃあ先生が分からないところを見てあげるよ!
子どもの話を少し聞いたら、すぐに結論を出す先生がいます。
学校生活は、時間が決まっているため忙しく、ついやってしまいがちです。
ですが、これも傾聴とは言えません。
子どもは難しいとは言ったもののどうしたいのかについてはまだ何も言ってないですよね。
- 先生に教えてもらいたい
- 宿題のレベルを下げて欲しい
- 国語の宿題も出して欲しい
もしかすると、こんな気持ちを抱いているかもしれません。
先生方は、先読みして対応することに長けていますので、よくやってしまいがちですが、援助やアイデアを伝えることは、傾聴ではないので注意が必要です。
質問ばかり

勉強は楽しい?
面談や日々の会話で、話を広げようと質問ばかりになってしまうことがあります。
- 最近調子いい?
- 元気?
- 部活は頑張ってる?
- 友達と遊んでる?
これでは子どもも会話に息苦しさを感じてしまいます。
上記のような「はい」「いいえ」で答えられる質問をクローズドクエスチョンと言います。
もちろんクローズドクエスチョンは答えやすいというメリットはありますが、常に会話の主導権が先生側にあります。
傾聴するのであれば、子どもに会話の主導権を渡すことも必要です。
カール・ロジャーズの3つの条件


子どもの話を聞けてないことは分かった。じゃあ傾聴するにはどうしたいいの?
傾聴できていない人の特徴は分かっていただけたと思いますので、ここからはカールロジャーズが傾聴する上で必要だと述べている3つの条件を解説していきます。
まずはこの3つを押さえましょう!
①受容
まずは、子どもを無条件に受け入れましょう。
- 宿題をしてきたら認めます
- 授業で手をあげないとあなたを認めません
このような条件を付けず、できないこともそのまま受け入れます。

先生、手を挙げて間違ったらどうしよう

手を挙げるのが恥ずかしいんだね
自分の考えを伝えるのではなく、子どもの気持ちに寄り添います。
また、子どものどの側面に対しても積極的かつ肯定的に関心を寄せることも大切です。
教育的におかしいな、注意したいなと思っていることでも子どもが伝えてくれたことを受け入れてみましょう。
子どもが隠したいことでも話してくれるということは関係ができている、もしくは試していると思われます。
そこでなんでも話せる先生になるか話せない先生になるかが決まるでしょう。

先生、昨日夜更かししてゲームしちゃった

寝る時間が決まってるでしょ。約束は守って規則正しい生活をしなさい
これでは、もう2度と話してくれることはないでしょうね。笑

先生、昨日夜更かししてゲームしちゃった

そんな熱中するゲームがあるの?どんなゲームか教えてよ
何度も言いますが、まずは受容です。
注意や指導は後からでもできますし、いきなり言われるよりも話を聞いた後の方が子どもにも指導が届くでしょう。
②共感的理解
次に大事なのが共感的理解です。
子どもの頭の中をまるで本人かのように感じ取ることです。
感じ取ったことを丁寧に子どもに返していき、確かめていくイメージです。
傾聴できない先生の特徴でもお話しましたが、この共感的理解の部分で技能に頼りがちと思われます。
- 相手の言葉をそのまま返す
- 感情のフィードバックをする
ただこれらを使うのではなく、子どもが考えていることを確かめるために使うんです。
特に小学生は自分の気持ちを整理して伝えることが、まだ完全にできていないので先生方が確かめることで本人が頭を整理できると思いますし、話を聞いてくれたと感じてもらえます。
小学校の先生はここが腕の見せ所ですね!

先生、昨日ね、んーと帰りにみんなで帰ったんだけど、えーと〇〇さんが石ころを投げて遊んでたからダメって言ったんだけど、あのー「いいじゃん」って言ってきて、でもあのー△△さんも「やめなよ」って言ったから、えーと止めてその後一緒に帰ったよ。

そっか、友達同士で注意しあって解決したってことかな?

うんっ!!
このように子どもは言いたいことを一生懸命紡いで話そうとしてくれます。
最後まで聴いて子どもの感じたことや言いたいことを確かめてみましょう!
③自己一致
自己一致とは、聴く側が相手のことを分かったのか分からなかったのかしっかり区別し、話を聴いて分かったことは確かめ、分からなかったことは分からなかったと本心と言動をそろえて向き合う態度のことです。
全てを理解しようとするあまり、曖昧な部分も分かったふりをするのは、相手に不快感を与えてしまいます。
子どもに真摯に向き合うためにも、分からない部分ははっきり分からないことを伝えたり、自分が感じたことを偽らずありのまま伝えたりしましょう。
私も自己一致できていなくていつまでも上手くいかなかったことがありました。
休み時間のたびに私のところは来ては、
- 「〜された」
- 「〇〇が〜してた」
などと、永遠と話をしてきました。
何度話しても自分で解決しようとせず、私も正直うんざりしてきました。
子どもと話したくなくなっていたんです。
そんな本心を隠しつつ、子どもの話を聴いていたためもちろん自己一致なんてできていません。
しかし、ある時本心をぶつけてみました。

毎回話を聴いているけど、○○さんから解決しようとする気持ちが伝わってこないんだ。だから先生もう話したくない気持ちになってるよ。○○はどうしたいの?

僕も変わりたいです。次から〜してみる
私の心はとてもすっきりしました。
本当のことが言えたことで、その後は私の方から積極的に話しかけられるようにもなりました。
子どもにも徐々に変化が起きてきました。
できることが増えてきましたし、私のところに来きていたのが友達と話す時間にもなっていきました。
ありのまま真摯に向き合う姿が子どもにも伝わるんだと感じたエピソードでした。
オープンクエスチョン

傾聴できていない特徴にクローズクエスチョンがありました。
その反対でオープンクエスチョンという質問の方法があります。
- 〜についてどう思う?
- 〜はなんでかな?
- それっていつから?
- どこで起きたの?
- 誰としたの?
このように「はい」「いいえ」の2択ではなく、自由に返答できる質問の仕方をオープンクエスチョンと言います。
2つどちらかというわけではなく、場面に応じて使い分けていくといいでしょう。
- クローズドクエスチョンはすぐ回答しやすいので、緊張している場面や初対面のときなど使って和らげる
- オープンクエスチョンは詳しく聴きたい時自分から話さない子の発言を促したい時に使う
まとめ
傾聴についてまとめます。
傾聴できていない先生の特徴は、3つです。
- 技術に頼る
- 結論を出したがる
- 質問ばかり
傾聴で大切な3つの条件がありました。
- 受容・・・相手の全てをまず受け入れる
- 共感的理解・・・相手の考えを理解しようと確かめる
- 自己一致・・・ありのままの自分で話を聴く
当てはまる方いましたら、ぜひ3つの条件を思い出してみてください!
ではまたっ!
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